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理論とその部分多様体への応用 微分幾何学 II||||{Morse 微分幾何学 I

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(1)

微分幾何学 I

理工学研究科

微分幾何学 II

————–

Morse 理論と

その部分多様体への応用

田崎博之

1998年度前期

(2)

目 次

1 Morse理論 1

1.1 多様体論からの準備 . . . . 1

1.2 代数的位相幾何学からの準備 . . . . 8

1.3 関数の特異値とホモトピー型 . . . . 16

1.4 Morseの不等式 . . . . 20

1.5 . . . . 26

2 Riemann部分多様体 31 2.1 第二基本形式と法接続 . . . . 31

2.2 基本的な方程式 . . . . 34

2.3 Gauss曲率とその一般化 . . . . 38

3 Chern-Lashofの定理 40 3.1 Riemann多様体上の積分 . . . . 40

3.2 Γ関数 . . . . 47

3.3 全曲率 . . . . 50

3.4 Chern-Lashofの定理 . . . . 57

4 最小全曲率と凸超曲面 61 4.1 最小全曲率 . . . . 61

4.2 凸集合 . . . . 67

4.3 凸集合の位相 . . . . 75

4.4 凸集合と超平面 . . . . 81

4.5 凸包 . . . . 85

4.6 凸超曲面 . . . . 89

i

(3)

この講義では、断らない限り可算開基を持つC級多様体を単に多様体と呼ぶことにす る。特に、多様体上にはいつでもRiemann計量をとることができる。この章では、多様体 上定義されたC級関数の挙動と多様体の位相の間の関係を記述するMorse理論の解説を する。

1.1

多様体論からの準備

定義 1.1.1 多様体Mの点pにおける接ベクトル空間をTpMで表し、多様体間のC級写 F :M Npでの微分写像をdFp :TpM TF(p)Nで表す。

f :M Rを多様体M上のC級関数とする。fのpMにおける微分写像dfp :TpM Tf(p)R = R0になるとき、p fの特異点と呼ぶ。また、実数f(p) fの特異値と呼 ぶ。すなわち、実数afの特異値であるとは、fの特異点pが存在しa=f(p)となるこ とである。

注意 1.1.2 多様体M上のC級関数f :M Rを考える。pMのまわりの局所座標系 (x1,. . ., xn)をとると、

dfp =

Xn i=1

∂f

∂xi(p)dxip

と表せ、dx1p,. . ., dxnpは余接ベクトル空間TpM (TpMの双対空間)の基底になるので、p fの特異点であるための必要十分条件は、

∂f

∂x1(p) =· · ·= ∂f

∂xn(p) = 0 が成り立つことである。

注意 1.1.3 多様体M上のC級関数f :M Rが定まっているとき、実数aに対して Ma={xM |f(x)a}

とおく。afの特異値ではないとき、f(x) = aとなる任意のxMに対して、dfx :TxM Rは全射になるので、陰関数定理より、f1(a)Mの部分多様体になる。よって、Ma 部分多様体を境界として持つ境界付き多様体になる。

1

(4)

補題 1.1.4 多様体M上のC級関数f : M Rが特異点p Mを持っていると仮定す る。接ベクトルX, Y TpMpのまわりのベクトル場X,˜ Y˜に拡張し、

(2f)p(X, Y) = ( ˜XY f˜ )(p)

によって(2f)p(X, Y)を定めると、これはX, Yの拡張のとり方によらずに定まり、

(2f)p :TpM×TpM R は対称二次形式になる。

証明 まず、

( ˜XY f˜ )(p) = ˜Xp( ˜Y f) = X( ˜Y f) だから、これはXの拡張のとり方には依存しない。

( ˜XY f˜ )(p)( ˜YXf)(p) = ([ ˜˜ X,Y˜]f)(p) =dfp([ ˜X,Y˜]) = 0

より(2f)pの対称性がわかる。さらに、対称性より( ˜XY f˜ )(p)Yの拡張のとり方にも依 存しないことがわかる。

定義 1.1.5 p Mを多様体M上のC級関数f : M Rの特異点とする。補題1.1.4 (2f)pfのpにおけるHessianと呼ぶ。(2f)pが非退化のとき、pfの非退化特異 点と呼ぶ。

注意 1.1.6 多様体M上のC級関数f :M Rが特異点pMを持つと仮定する。p まわりの局所座標系(x1,. . ., xn)をとると、注意1.1.2より、

∂f

∂x1(p) =· · ·= ∂f

∂xn(p) = 0 が成り立つ。接ベクトルX, Y TpM

X =

Xn i=1

Xi

∂xi

¯¯

¯¯

¯p, Y =

Xn i=1

Yi

∂xi

¯¯

¯¯

¯p

と表す。Ypのまわりのベクトル場に拡張したものを Y˜ =

Xn i=1

Y˜i

∂xi で表す。このとき、

(2f)p(X, Y) = X( ˜Y f) =

Xn i=1

Xi

∂xi

¯¯

¯¯

¯p Xn j=1

Y˜j ∂f

∂xj =

Xn i,j=1

XiYj 2f

∂xi∂xj(p).

これより、行列

"

2f

∂xi∂xj(p)

#

は、基底

∂x1

¯¯

¯¯

¯p,. . .,

∂xn

¯¯

¯¯

¯p に関する(2f)pの表現行列になる。

したがって、pfの非退化特異点になるための必要十分条件は、行列

"

2f

∂xi∂xj(p)

#

が非退 化行列になることである。

(5)

定義 1.1.7 実ベクトル空間V上の対称二次形式H :V ×V Rに対して、Hを制限する と負定値になる部分ベクトル空間の次元の最大値をHの指数と呼び、index(H)で表す。H の零化部分ベクトル空間

V0 ={v V |H(v, w) = 0 (wV)} の次元をHのnullityと呼び、nullity(H)で表す。

多様体M上のC級関数f : M Rの特異点 pにおける fの Hessian(2f)pの指数と nullityを単にfpにおける指数とnullityと呼ぶことにする。

補題 1.1.8 実ベクトル空間V上の対称二次形式HをVの基底v1,. . ., vnにより対角化した とき、Hの指数は負の対角成分の個数に一致する。

証明 Vの基底v1,. . ., vnの内で、必要ならばこれらを並べ換えることにより、負の対角 成分に対応する元をv1,. . ., vλとし、0以上の対角成分に対応する元をvλ+1,. . ., vnとする ことができる。v1,. . ., vλの張る部分ベクトル空間をV1で表し、vλ+1,. . ., vnの張る部分ベク トル空間をV2で表すと、VV1V2の直和になる。HをV1に制限すると負定値になるの で、Hの指数はλ以上になる。もしHを制限して負定値になり次元がλより大きい部分ベク トル空間Wが存在すると仮定すると、

dim(W V2) = dimW + dimV2n+ 1) + (nλ)n 1.

よって、0ではないv WV2をとることができ、v V2よりH(v, v)0であるが、v W よりH(v, v)<0となり、矛盾。したがって、Hの指数はλに一致する。

補題 1.1.9 fRnの原点0を含む凸開集合 V上で定義されたC級関数とする。このと き、V上定義されたC級関数gi (1in)が存在し、

f(x) =f(0) +

Xn i=1

xigi(x) (x= (x1,. . ., xn)V) gi(0) = ∂f

∂xi(0) を満たす。

証明 xVに対してtxV (t [0,1])であり、

f(x)f(0) =

Z 1

0

d

dtf(tx)dt

=

Z 1

0

Xn i=1

∂f

∂xi(tx)xidt

=

Xn i=1

xi

ÃZ 1 0

∂f

∂xi(tx)dt

!

.

そこで、gi(x) =

Z 1

0

∂f

∂xi(tx)dt とおけばよい。

(6)

補題 1.1.10 (Morse) 多様体M上のC級関数f :M Rが非退化特異点pMを持つ と仮定する。このとき、pのまわりの局所座標系(x1,. . ., xn)が存在し、

f(x) =f(p)(x1)2− · · · −(xλ)2+ (xλ+1)2+· · ·+ (xn)2 が成り立ち、λはfのpにおける指数に一致する。

証明 まず、pのまわりの局所座標系(x1,. . ., xn)が存在し、

f(x) =f(p)(x1)2− · · · −(xλ)2+ (xλ+1)2+· · ·+ (xn)2 となるとき、λはfのpにおける指数に一致することを示す。この表示より、

2f

∂xi∂xj(p) =

2 (i=j λ) 2 (i=j > λ) 0 (他の場合) を得る。よって、fpにおけるHessian (2f)p

∂x1

¯¯

¯¯

¯p,. . .,

∂xn

¯¯

¯¯

¯p に関する表現行列は、

2 . ..

2 2

. ..

2

よって、補題1.1.8より、Rn(2f)pの指数はλに一致する。

次に補題の局所座標系の存在を示す。p のまわりの局所座標系 (y1,. . ., yn) yj(p) = 0 (1j n)を満たすものをとると、補題1.1.9より、

f(y) =f(p) +

Xn j=1

yjgj(y), gj(0) = ∂f

∂yj(0) = 0 を満たすC級関数gjが存在する。各gjに再び補題1.1.9を適用すると、

gj(y) =

Xn i=1

yihij(y) を満たすC級関数hijが存在する。よって、

f(y) =f(p) +

Xn i,j=1

yiyjhij(y)

(7)

となる。

¯hij(y) = 1

2(hij +hji) とおくと、

f(y) =f(p) +

Xn i,j=1

yiyj¯hij(y), ¯hij(y) = ¯hji(y)

が成り立つので、hij¯hijに置き換えることによって、hij =hjiが成り立つとしてよい。

以下では、

f(u) = f(p) + X

ir1

±(ui)2+ X

ri,j

uiujHij(u), [Hij(u)]は対称行列 となるpを含む局所座標近傍(U1;u1,. . ., un)が存在することを仮定して、

f(v) =f(p) +X

ir

±(vi)2 + X

r+1i,j

vivjHij0 (u) [Hij0 (v)]は対称行列 となるpを含む局所座標近傍(U2;v1,. . ., vn)が存在することを示す。

"

2f

∂ui∂uj(0)

#

=

±2 . ..

±2

2Hrr(0) · · · 2Hrn(0) ... . .. ... 2Hnr(0) · · · 2Hnn(0)

となり、pfの非退化特異点だから、Hij(0)がすべて 0になることはない。局所座標系 を線形変換することにより、Hrr(0) 6= 0とできる。よって、pのある開近傍U2 U1が存 在し、Hrr(u)U20にならない。そこで、

g(u) = q|Hrr(u)| (uU2)

とおくと、gはU2上のC級関数になる。このgを使って、新しい局所座標系v1,. . ., vn 次のように定める。

vi =ui (i6=r) vr(u) = g(u)

ur+ X

r+1i

uiHir(u) Hrr(u)

.

ここで、

∂vr

∂ur(0) =g(0)6= 0

(8)

となるので、

det

"

∂vi

∂uj(0)

#

=g(0)6= 0.

逆関数定理より、pのある開近傍U3 U2上で、v1,. . ., vnは局所座標系になる。

±(vr)2 = Hrr(u)

ur+ X

r+1i

uiHir(u) Hrr(u)

2

= Hrr(u)

(ur)2+ 2ur X

r+1i

uiHir(u) Hrr(u) +

X

r+1i

uiHir(u) Hrr(u)

2

= (ur)2+ 2ur X

r+1i

uiHir(u) + X

r+1i,j

uiujHir(u)Hjr(u) Hrr(u) . これより、

f = f(p) + X

ir1

±(ui)2+ X

ri,j

uiujHij(u)

= f(p) + X

ir1

±(vi)2+ (ur)2Hrr(u) + 2 X

r+1i

uiurHir(u) + X

r+1i,j

uiujHij(u)

= f(p) +X

ir

±(vi)2+ X

r+1i,j

uiuj

Ã

Hij(u)Hir(u)Hjr(u) Hrr(u)

!

. したがって、

f(v) = f(p) +X

ir

±(vi)2+ X

r+1i,j

vivjHij0 (v) となる。Hij0 (v)

Hij(u) Hir(u)Hjr(u) Hrr(u)

を座標変換し、行と列を一つずつ減らしただけなので、対称行列になる。

上のr = 1の場合の局所座標系の存在はすでに示したので、rに関する数学的帰納法に より、

f(x) = f(p) +

Xn i=1

±(xi)2 (xU) となるpを含む局所座標近傍(U;x1,. . ., xn)の存在がわかる。

1.1.11 多様体上のC級関数の非退化特異点は孤立する。

証明 補題1.1.10より、C級関数fは非退化特異点pの近傍で、

f(x) =f(p)(x1)2− · · · −(xλ)2+ (xλ+1)2+· · ·+ (xn)2 と表せるので、この局所座標近傍内のfの特異点はpのみになる。

(9)

補題 1.1.12 多様体上Mのコンパクトな台を持つC級ベクトル場は、Mの微分同型の一 径数部分群を生成する。

証明 XをM上のコンパクトな台を持つC級ベクトル場とする。XがMの微分同型の 一径数部分群φtを生成するための条件は、

t(p)

dt =Xφt(p) (tR, pM) φ0(p) =p (pM)

が成り立つことである。Mの各点pで局所座標近傍をとり、局所座標によって上の条件を 書くと常微分方程式系になるので、常微分方程式の解の存在と一意性より、pの開近傍Up

と²p >0が存在し、

t(q)

dt =Xφt(q) (|t|< ²p, qUp) φ0(q) =q (q Up)

の解が一意的に存在する。

{Up}pMMの開被覆になり、Xの台はコンパクトだから、有限個の{Up1,. . ., Upk} Xの台は被覆される。そこで、

²0 = min{²p1,. . ., ²pk}

とおく。Xの台に含まれていない点pに対しては、Xp = 0だから、任意のtRについて φt(p) =pが成り立つ。Mの任意の点についても、|t|< ²0となるtについてφtの作用が定ま る。常微分方程式の解の一意性より、|s|,|t|,|s+t| < ²0となるs, tについてφsφt =φs+t が成り立つ。

以下で、任意のtRに対してφtを定める。t Rに対して t =k(²0/2) +r, k Z, |r|< ²0/2 となるようにk, rをとる。k 0のときは、

φt=

z }|k {

φ²0/2◦ · · · ◦φ²0/2φr によってφtを定め、k < 0のときは、

φt =

k

z }| {

φ²0/2◦ · · · ◦φ²0/2φr

によってφtを定める。これによって、すべてのtについてφtが定まり、φsφt=φs+t が成 り立つこともわかる。φtMの微分同型の一径数部分群になり、φtの定め方から、Xはφt

を生成することもわかる。

(10)

注意 1.1.13 多様体MにRiemann計量h , iが存在する場合は、M上のC級関数fの微 dfの双対ベクトル場をfの勾配ベクトル場と呼び、gradfで表す。すなわち、M上のベ

クトル場Xに対して、

hgradf, Xi=df(X)

となる。gradfの零点は、fの特異点に一致する。勾配ベクトル場gradffの一階微分を 表している。fの二階微分は、Riemann計量から定まる共変微分を使って、2fで表現 できる。M上のベクトル場X, Yに対して、

(f)(Y) = Y f

(2f)(X, Y) = X((f)(Y))(f)(XY)

= XY f(XY)f

となるので、fの特異点では、2fは定義1.1.5で定めたfHessianに一致する。M全体 で定義される2ffのHessianと呼ばれる。

1.2

代数的位相幾何学からの準備

定義 1.2.1 X, Yを位相空間とし、A Xとする。f, g :X Yf|A =g|Aを満たす連続 写像とする。次の条件(1)から(3)を満たす連続写像F :X×[0,1]Yが存在するとき、

f g relA

と書き、f, gはAを固定してホモトピックであるという。

(1) F(x,0) =f(x) (xX), (2) F(x,1) =g(x) (xX),

(3) F(x, t) = f(x) = g(x) (xA, t[0,1]).

Aが空集合のときは、単にf gと書く。

定義 1.2.2 位相空間の間の連続写像 f : X Yに対してある連続写像f0 : Y Xが存 在し

f0f 1X, f f0 1Y

を満たすとき、fをホモトピー同値と呼び、XとYはホモトピー同値である、または同じホ モトピー型を持つという。

定義 1.2.3 位相空間Xの部分集合Aに対して、連続写像F :X×[0,1]Xが存在し、

(1) F(x,0) =x(xX)

(11)

(2) F(x, t) = x(xA, t [0,1]) (3) F(x,1)A (xX)

を満たすとき、AXの強変形レトラクトと呼ぶ。

注意 1.2.4 A Xの強変形レトラクトのとき、包含写像i : A Xはホモトピー同値に なる。

定義 1.2.5 R1 R2 ⊂ · · · ⊂Rk ⊂ · · · ⊂Rとみなして、

E0 = (0,. . .,0,. . .) E1 = (1,0,. . .,0,. . .) E2 = (0,1,0,. . .,0,. . .)

...

Eq = (0,. . .,0,

q

^1,0,. . .,0,. . .) ...

によって、E0, E1, E2,. . ., Eq,. . .を定める。E0,. . ., Eqの張るq次元単体を∆qで表す。すな わち、

q=

(

(t1,. . ., tq,0,. . .)

¯¯

¯¯

¯ti 0,

Xq i=1

ti 1

)

. q > 0に対してアファイン写像Fqi : ∆q1 q

Fqi(Ej) =

( Ej (j < i) Ej+1 (j i) によって定義する。

定義 1.2.6 Xを位相空間とする。連続写像σ : ∆q XをXの特異q単体と呼ぶ。体F 一つとり、固定しておく。Xの特異q単体全体の生成するFベクトル空間をSq(X;F)で表 し、Sq(X;F)の元を特異q鎖と呼ぶ。すなわち、Xの特異q鎖はX

σ

aσσと表せる。ここで、

aσは有限個のσを除いて0になる。

定義 1.2.7 Xを位相空間とする。Xの特異q単体σと0iqに対して σ(i) =σFqi : ∆q1 X

によって、Xの特異q1単体σ(i)を定め、

∂(σ) =

Xq i=0

(1)iσ(i)Sq1(X;F)

参照

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